アーユルヴェーダの系譜

アーユルヴェーダは内科学と外科学に大きく分かれるとされています。

一般的に知られているアーユルヴェーダは「内科学」に分類され、主にドーシャ理論を用いた体質分類や、それに伴う適した生活習慣や食事、生薬などを処方するといった内容になっています。主な経典は『チャラカ・サンヒター』です。

 

一方、施術で用いるマルマの知識は「外科学」に分類されており、主な経典である『スシュルタ・サンヒター』にマルマの知識が書かれています。しかし書かれているマルマの知識は「急所」としての知識であり、「治療」のための内容は書かれていないのです。『図説マルマ』(伊藤武著)によると、損傷する症状の逆を読むと治療として読めるとされていますが、実際の所、治療法は秘密にされているのです。なぜ秘密なのかというと、言葉や文字で伝えられるものではないからです。プラーナの体得によって初めて理解できる内容だからです。だからこそ、マルマの治療としての知識は書物に残らなかったのだと思われます。

 

プラーナの体得により、異常な施術点が解ります。これは理屈抜きで解ります。違和感として触知されるのです。そこに適切な施術をする事で施術点の違和感が消失します。それにより患者の症状が寛解します。これがマルマ施術です。これ以上、説明できる事はないのです。実践と体得のみが求めらるのです。

 

そのため当院での施術は、マルマ施術という主に外科学に属するものを扱っております。その中で、マッサージオイルに使用するギーやホーリーバジル、体質分類の見立ては内科学に分類される内容を扱っています。アーユルヴェーダにおける知識を実践において効果を検証し、効果を実感できたものを応用させていただいております。

 

こうして活用させていただいていて思うのは、アーユルヴェーダは間違いなく効果的なものしか活用していないという事と、プラーナの体得がなくては良い施術が出来ないという事です。プラーナの体得が出来たのなら、これこそ真の東洋医学であると確信できます。安価で誰でも手に入るもので、素晴らしい効果を出せるのがアーユルヴェーダの施術です。その施術効果の根底を支えるものが、人間性の向上とプラーナの体得となっているのです。