アーユルヴェーダでは、人間の体質を3つの基本体質に分類し、その特徴に応じた生活指導や治療を行います。3体質のうち2つが複合している方も多くいるので、一人一人に合わせて特徴を捉え、分析することも可能です。ここでは簡単に3体質の特徴と、体質に合ったライフスタイル・治療についてご紹介させて頂きます。
ヴァータは自然でいうところの「風」の属性が当てはまります。
風は常に動き、軽く、素早いものです。
その特徴が心身の特徴として強く出ている人を、ヴァータ体質と呼びます。
身体の特徴
やせている、乾燥肌、敏感、冷えやすい、スタミナがない、消化器が弱い
心の特徴
社交的、フットワークが軽い、持続力がない、動揺しやすい
適した生活スタイル
食事:消化力が弱いので、消化に良いものが基本。また食べ過ぎは厳禁。
やせていて体力がないので、少量で高タンパク、高カロリーのものも良い。
運動:運動のし過ぎは厳禁。軽い運動で十分。
睡眠:睡眠状態が良くない人が多い。リラックスできる音楽やアロマなどを活用する。
入浴:乾燥しやすいのと冷えやすいので、ぬるめのお湯にじっくりと半身浴するのが
良い。
適した治療
乾燥しやすいのでオイルマッサージがピッタリ。
やせていて敏感なのでマッサージは優しく低刺激が良い。強い刺激は厳禁。
鍼灸は細い鍼を浅く低刺激で行う。主に消化器系に作用するツボを用いる。
ピッタは自然でいうところの「火」が当てはまります。
火は熱性で上昇し、エネルギーとして用いられます。
その特徴が心身の特徴として強く出ている人を、ピッタ体質と呼びます。
身体の特徴
筋肉質、色素が濃い、消化力が強い、皮膚炎など、炎症性の疾患にかかりやすい
心の特徴
活動的、積極的、頭が良い、感情が激しい
適した生活スタイル
食事:高カロリー、刺激物などを好むが、炎症になりやすくなるので控える。
菜食ができると良い。動物性食品は控える。
運動:運動は得意で好む傾向にある。溜まりやすい熱も発散されるので良い。
運動しないと熱の発散がうまくできず炎症になりやすい。
睡眠:エネルギッシュであまり寝なくても平気な人が多いが、寝ないと熱過多で炎症に
なりやすくなる。
入浴:熱いのが嫌いでシャワーを好む傾向にあるが、皮膚炎などになりやすい体質なの
で、皮膚代謝を活性化し清潔にする意味で入浴もたまにすると良い。
適した治療
筋肉質で皮膚が厚いのでマッサージは強刺激を好む。筋肉を傷めない程度に行う。
鍼灸は細い鍼でやや刺激が強くても良い。皮膚に働きかけ熱を発散させる。
主に熱を下げる作用のツボを用いる。
カファは自然でいうところの「水」が当てはまります。
水は冷やし下降し、物質を満たします。
その特徴が心身の特徴として強く出ている人を、カファ体質と呼びます。
身体の特徴
ぽっちゃり体型、皮膚はきめ細かくみずみずしい、色白、冷えやすい
心の特徴
ゆったりしている、あまり動揺しない、保守的、ぼーっとするのが好き
適した生活スタイル
食事:太りやすいので高カロリーなものは控える。
冷えやすいので温かい料理が良い。スパイスも合っている。
水が溜まりやすいことを考慮した飲食を。
運動:太りやすく、筋肉が少なく、冷えやすいので、たくさん運動するのがオススメ。
睡眠:良く寝るので、寝過ぎないようにする。
入浴:冷えやすくむくみやすいので、代謝を良くする意味でもシャワーより入浴するのが
良い。
適した治療
ぽっちゃり体型なのでマッサージはしっかり圧をいれなくてはいけない。
鍼灸はやや太い鍼(太いといっても直径0.2mmくらい)で行う。代謝を良くする。主に水分代謝を良くするツボを用いる。