ここでは各季節の特徴や過ごし方についてご紹介致します。
東洋医学では前の季節の過ごし方が、次の季節の状態に影響を与えるという考え方があります。
また体質によって、体調を崩しやすい季節があります。
ご自身の体調を振り返り、参考にして頂けましたら幸いです。
春は冬の寒さから夏の暖かさへと向かう季節です。
あらゆる生き物が活動を始めます。芽吹きの季節、始まりの季節です。
春の季節の病
春はあらゆるものが動き始めますが、病も例外ではありません。冬の間に息をひそめていた病が一気に出てくるのも春の特徴です。そのため冬の過ごし方が春になった時、結果として現れてきます。
花粉症
春の病といえば花粉症です。花粉症は涙や鼻水が止まらなくなりますが、これは冬の間蓄積された余分な水分を排泄する現象であると東洋医学では考えられています。
そのため花粉症を軽くしたいのであれば、冬の間に余分な水分を蓄積しない工夫をされることをお勧め致します。
3体質の中ではカファ体質者が最も花粉症にかかりやすいとされます。脂っこいもの,牛肉,豚肉,牛乳,ヨーグルト,ケーキ,アイスクリーム,ナッツ類など、このような栄養豊富であったり粘液質なものはカファを蓄積し、来春花粉症という形で排泄されます。冬の間にこのようなものを控えて頂くと、来春は快適に過ごせるかもしれません。
精神病
春には精神的にも不安定になりやすいと言われます。
あらゆることが新しく切り替わり、動き始める時期ですので、不安定になりやすいのは当然のことかもしれません。
3体質の中ではヴァータ体質者が精神的に不安定になりやすいため、注意が必要です。疲れたときはあまり周りに合わせすぎずに、一人でゆっくりリラックスする時間を取る事をお勧め致します。
夏は一年の中で最も暖かく、活動的な季節です。
あらゆる生物の成長の時期です。
温暖、成長・発育の季節が夏です。
夏の過ごし方
現代ではクーラーがあるため、夏でも涼しく快適に過ごすことができます。
でも実はそれが落とし穴で、身体が正常に機能するには夏の暑さにある程度身体をさらしておく必要があるのです。
夏にしっかり汗をかき、皮膚機能を充実させておかないと、秋になった時に乾燥が酷くなります。また外部環境に対する抵抗力も弱まるため、秋になって風邪を引きやすくなります。夏は暑いのが当たり前!暑さにある程度さらされることで、秋から冬を健康的に迎えることができます。
夏の食べ物
夏は食べ物が痛みやすく、新鮮なものしか食べられない…のが昔の時代ですが、今は何でも食べることができます。それもまた気を付けなくてはならないことで、食べ物の選び方は注意が必要です。
夏には夏野菜ができますが、夏野菜の多くは水分が豊富で味もサッパリして清涼感のあるものがほとんどです。これは正に自然の恵みで、自然はその季節に合ったものを私たちに提供して下さっているのです。夏は体内の水分が不足しやすく、血液が濃くなりやすいので、夏野菜のような水分豊富で味も濃くなく、血液をドロドロにしないものが最良と言えます。
本来夏は痛んでしまいありつけないはずの生魚や肉食は、血液を濃くしてしまうので夏の時期は気を付けなくてはいけません。血液がドロドロで濃くなると、皮膚病や各種炎症が起こりやすくなります。場合によっては脳梗塞などにも繋がるので、注意が必要です。
夏は水分を多く摂り、水分豊富なサッパリした食べ物をお勧め致します。
なお、ピッタ体質者は余計熱を持ちやすく、炎症などで悩まされやすいので、上記の食事をされることをお勧め致します。
秋は夏の暑さから冬の寒さへと移行する季節です。
気温の低下と共に湿度も低下し、乾燥が始まります。
夏の成長のピークを終えて、今度は実りを迎える季節です。
乾燥、実り、収穫の季節が秋です。
秋の過ごし方
秋は冷えと乾燥の季節ですので、ヴァータ体質者が体調不良に悩まされやすい季節です。
乾燥により皮膚病となり、冷えによって腰痛などの各部の痛み、血液の循環障害などが起こりやすくなります。
快適に過ごすには、前の季節の夏にしっかり汗をかいておくことも大切です。
また夏の間シャワーで過ごされていた方は、入浴に切り替えることをお勧め致します。
入浴することで全身がしっかり温まり、皮膚にも水分が行き渡るためです。
食事は季節の美味しいものを普通に摂って頂ければ大丈夫です。
乾燥と冷えの季節なので、熱に変わる栄養豊富で濃いものも推奨されます。
冬は最も寒い季節で、あらゆる生き物が活動を停止します。
実りも少なく、貯蔵したものを食べて春を待ちます。
寒冷、休眠の時期が冬です。
冬の過ごし方
現代では暖房が充実しているため、場所によっては汗をかくぐらい暑い場合もあります。
また本来汗をかかない時期ですが、ジムなどの運動施設が充実しているために冬でもたくさん汗をかく方が多くおられることと思います。
冬は本来、汗をかかない時期ですので、冬に発汗しすぎると、春の時期に影響が出てきます。
春になって風邪を引きやすくなる、身体がとても冷えるなどです。
冬は本来温存しておとなしくしている時期なので、あまり激しい運動はお勧めしません。
汗をかかない程度の運動量が適当と思われます。
昔のように寒さにさらされている時代では、肉食などの栄養豊富で濃い食べ物を冬に推奨されました。それは栄養豊富なものは熱に変わるので体温を上昇させるためです。また寒いために腐りにくく、保存も可能でした。
現代では温かい家の中で何不自由なく過ごしているので、それほど肉食が合うとは言えません。カファ体質の人はアーマ蓄積を招きやすいので注意が必要です。春の花粉症が怖い人は栄養豊富なものをあまり食べ過ぎずに冬を過ごすことをお勧め致します。