食事について

身体は食べ物によって出来ている

当たり前のことではありますが、身体は食べ物によって出来ています。

最初はお母さんの体内で細胞分裂を繰り返して、私たちの身体は出来上がりますが、その時だって、お母さんが食べた食べ物を元にして私たちの身体は出来ているのです。

その食べ物の性質を受けて、身体は構築されます。消化吸収の過程で人間の形の体細胞に変化するとはいえ、元々の性質はやはり引き継いでしまうのです。

 

植物は穏やか動きはありませんが、生命力が強く色々なところで生育できます。

動物は活発で行動的ですが、持続力の点では植物に劣ります。

穏やかで落ち着きがあり、持続力を持ちたいのであれば菜食を、筋力を生かした瞬発力を高めたいのであれば肉食をお勧め致します。両方を求めるのなら適宜バランスの良い食事が必要です。

 

また、ある考え方では「生食」が良い、というのもあります。これは種など、生命力を宿しているものをそのまま食べる食べ方です。玄米食や発芽玄米を食べるというのも、この考え方に近いものがあります。菜食も、生命力を宿したものを食べるという価値観に近いものがあると思われます。ただ「死なせない」で食べるので極力調理を行いません。消化力がよっぽど強くないと成立しない食べ方ではあります。私としてはやはり折衷案で、菜食で消化しやすく調理するのが一番良いのではないかと思っております。「生命力を頂く」という考え方も「新鮮なものを頂く」というものに通じると思うので、とても頷けます。

 

因みに、最近鳥インフルエンザなど、動物由来の病気が人間も発症するようになってきておりますが、原因として肉食が盛んになったためという話があります。もしかしたら、食べたものの性質を引き継いでしまうために起こったことなのかもしれません。

 

食べ物は心にも影響を与える

先程、身体は食べ物によって出来ていると書きましたが、微細なところで、実は心にも影響を与えていると言われています。

感情を出すと、かなり微細なところで振動が生まれ、その振動が周りに伝わり、影響を与えると言われます。感情が激しければ激しいほど、波形は荒くなり、周りに強いストレスを与えます。表に出さなくても、強い怒りを持った人が場に一人いるだけで、とても不快な思いを周りに与えるのは皆さんご理解頂けることと思います。心が出す波形は微細ですが、侮れない影響力があるのです。

この感情によって生み出される振動が、食べ物を伝わって食べた人にも影響を与えます。

 

お坊さんが肉を食べなかった訳

かつてお坊さんなど、精神修養者は肉を食べなかったことは皆さんご存知のことと思います。

これは動物の肉が不浄であるなどの価値観など、色々あるかもしれませんが、ひとつ大きな理由として、この心の波形の影響があります。

動物にはサットワ(浄性)の心を除くラジャス(激性)とタマス(鈍性)の2つの心を持っているとされています。心があるということは、心が出す波形の影響も当然持っているわけです。動物を食べる時は必ず殺さなくてはなりませんが、その際の断末魔の感情が肉に波形として残っていると考えられています。そのため肉食をすると断末魔の感情(強烈な怒り・恐怖など)を取り込むこととなり、感情が激しくなりやすいと考えられているのです。

ちなみに植物は心がなく、魚介類も心がほとんどないため、心の波形の影響はあまりないと言われています。

この事をどうとらえるかはその人次第ですが、私はそれとなく実感できるので、肉は基本的に食べておりません。うまく表現できませんが、実践してわかることも多々ある事と思います。

 

料理人の心得

心が与える影響は、食材のみならず、実は作る人も影響を与えるとインドでは考えられています。食材自身が放つ波形はもちろんですが、料理人の出す波形も、食材に影響を与えます。よく「あなたが入れたお茶は美味しいわ」といったやりとりがありますが、実は冗談ではなく本当に入れる人によって味が変わります。

心が穏やかで優しければ、その波形を帯びた料理になります。心が怒りや憎しみ、心配不安で塗り固められていたら、その波形を帯びた料理になります。

料理を作る人は、心穏やかに、愛情あふれる心で料理を作られることをお勧め致します。そうすれば、その料理を食べた人は、心も体も健康になります。

料理を頂く人ならば、料理人の心に注意を向ける事をお勧めします。「悪い感情」という毒はすぐには影響を与えませんが、徐々に心と体を蝕んでいきます。